運行管理者(貨物) 過去問
令和6年度 CBT
問30 (実務上の知識及び能力 問7)

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問題

運行管理者(貨物)試験 令和6年度 CBT 問30(実務上の知識及び能力 問7) (訂正依頼・報告はこちら)

運行管理者が、次の大型トラックの事故報告に基づき、この事故の要因分析を行ったうえで、事業者又は運行管理者にとって、最も直接的に有効と考えられる<事故の再発防止対策>ア~カの組合せを、<選択肢>から1つ選びなさい。なお、解答にあたっては、<事故の概要>及び<事故関連情報>に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

<事故の概要>
大型トラックが信号交差点を左折した際、交差点内で、横断歩道上を右から横断中の自転車の通過待ちをした後に発進したが、同横断歩道を左から横断中の車いす利用者に気付かず衝突し、路上に転倒させた後、車両で轢過した。

<事故関連情報>
①  運行管理者は、当該運転者に対する業務前の点呼において、昨日は、就寝時間がいつもより遅かったとの事であったが、疲労等に問題がないことを確認していた。
②  運転者は、事故地点において、右方向から来る自転車のみに気を取られ、左方の安全確認を十分に行わなかったため、同横断歩道を左側から横断していた車いす利用者に全く気付かず進行し、車両の前部に衝突転倒させ轢過した。
③  当該運転者は、3ヵ月前に定期健康診断を受診した際、肥満及び高血圧を指摘され、精密検査の受診を勧められ、まだ、精密検査は受診していなかったが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査は受診していた。
④  当該運転者の適性診断結果で、「信号の変化や他の交通の動きを予測した運転を行うことや、歩行者や自転車のそばを通過する際は思いやりのある運転を心がける」こと等について指摘されていた。
⑤  当該営業所においては、運行管理者の補助者(以下「補助者」という。)は選任されておらず、運行管理者により運行管理業務を行っていた。
⑥  当該営業所では、事故が発生しやすい箇所、交差点での右左折時における留意事項等について指導を行っていなかった。

<事故の再発防止対策>
ア  運転者に対し、大型車を運転して交差点で左折又は右折する場合は、直接視界及び間接視界により、車両の左右及び前方下方に歩行者等がいないか十分確認した上で通過するよう指導を徹底すること。
イ  SAS取扱規定を作成し、雇い入れ時等のタイミングで医療機器によるSASスクリーニング検査を受けさせ、SAS検査後のフォローや乗務可否、治療の継続的なチェックなど目的を明確にすること。
ウ  運行の主な経路における事故が発生しやすい箇所や具体的な注意事項など、安全運行を行うために必要な情報を運転者に伝え、適切な運行指示を行うこと。
エ  点呼の際に点呼実施者が不在にならないよう、適正な数の運行管理者又は補助者を配置するなど、運行管理を適切に実施するための体制を整備すること。
オ  適性診断の結果をもとに、運転者に対して、歩行者等の安全に配慮した「思いやり運転」を身につけるよう継続的に指導すること。
カ  運転者に対し、十分な睡眠時間の確保等、勤務に影響を及ぼさない日常生活の過ごし方についても指導すること。
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  • アウオ
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この過去問の解説 (1件)

01

選ぶべき組合せは、「大型車で交差点を左折・右折するときの安全確認の徹底」、「事故が発生しやすい箇所や具体的な注意事項を伝えること」、「適性診断の結果を踏まえた継続的な指導」の3つです。
この事故は、右から来る自転車ばかりに気を取られ、左側の安全確認を十分にしなかったことが直接の原因です。また、適性診断では歩行者や自転車への配慮や予測運転について指摘されており、さらに営業所では事故が発生しやすい箇所や右左折時の留意事項の指導を行っていませんでした。そのため、この3つが最も直接的に有効です。

選択肢2. アウオ

ア 大型車で交差点を左折又は右折するとき、直接視界や間接視界で歩行者等がいないか十分確認するよう徹底すること

これは正しいです。
事故そのものが、左方の安全確認不足で起きています。国土交通省の事故調査報告書でも、大型車の右左折時や発進時には、歩行者や自転車がいないことを直接確認し、死角の周辺は鏡などで確認することが重要だとされています。今回の事故内容といちばん強く結びつく対策です。

 

イ  SAS取扱規程を作成し、雇い入れ時等にSASスクリーニング検査を受けさせること

これは今回の事故に対する最も直接的な対策とはいえません。
SAS対策そのものは大切で、国土交通省のマニュアルでも、雇い入れ時等にSASスクリーニング検査を受けさせることや、SAS取扱規程を作ることが勧められています。ですが、この問題では、運転者はすでにSAS検査を受診しており、事故の直接原因として書かれているのは眠気や居眠りではなく、左側の安全確認不足です。したがって、今回の事実だけで選ぶなら、これより直接的な対策がほかにあります。

 

ウ  事故が発生しやすい箇所や具体的な注意事項など、安全運行に必要な情報を伝え、適切な運行指示を行うこと

これは正しいです。
問題文でも、営業所では事故が発生しやすい箇所や、交差点での右左折時の留意事項の指導を行っていなかったと書かれています。国土交通省のマニュアルでも、事故が発生しやすい地点などは事前に確認し、走行時には十分な注意と慎重な運転が必要であり、そうした情報を踏まえて安全運行につなげるよう指導することが示されています。今回の事故内容に合った、直接的な対策です。

 

エ  点呼実施者が不在にならないよう、運行管理者や補助者を適正に配置すること

これは今回の事故に対する最も直接的な対策とはいえません。
問題文には、補助者は選任されていなかったが、運行管理者により運行管理業務を行っていたとあります。つまり、補助者がいないこと自体は書かれていますが、そのために点呼ができなかったとか、点呼実施者が不在だったとは書かれていません。今回の事故原因としては、左方確認不足や指導不足のほうがはっきりしています。

 

オ  適性診断の結果をもとに、歩行者等の安全に配慮した「思いやり運転」を身につけるよう継続的に指導すること

これは正しいです。
問題文では、適性診断結果として、信号の変化や他の交通の動きを予測した運転や、歩行者や自転車のそばを通過するときは思いやりのある運転を心がけることが指摘されていました。国土交通省の事故調査報告書でも、適性診断の結果を運転者に的確に伝え、指摘内容を十分に自覚するよう継続的に指導することが再発防止策として示されています。今回の事故と非常に結びつきが強い対策です。

 

カ  十分な睡眠時間の確保など、勤務に影響を及ぼさない日常生活の過ごし方を指導すること

これは今回の事故に対する最も直接的な対策とはいえません。
問題文では、前日の就寝が少し遅かったことは出ていますが、点呼では疲労等に問題がないことを確認していたとされています。そして、事故の直接原因として書かれているのは、右からの自転車に気を取られて左方確認を十分にしなかったことです。睡眠指導も一般には大切ですが、この事故の事実関係だけで比べると、もっと直接的な対策があります。

まとめ

この問題で大切なのは、事故の直接原因にいちばん近い対策を選ぶことです。
今回は、
左折時の安全確認不足
交差点での注意事項の指導不足
適性診断の指摘内容を活かした継続指導の不足
が中心です。

そのため、選ぶべきなのは、「ア ウ オ」の組合せです。

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